未だ終わらない差別

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CDのサインに応じてくださる、沢 知恵さんと、CD 「かかわらなければ」

ハンセン病問題講演会に行く。
テーマは「ハンセン病回復者と家族・遺族 ハンセン病問題の核心に迫る」
回復者の家族の方々の複雑な苦しみは、それぞれの家族状況によってあまりにも違う。そんな苦しみを今まで知らなかった。知る機会が少なかったせいでもあるが、想像することができなかったことも多い。

療養所に暮らす多くの方が家族から絶縁されていることは知識として知っていた。長島愛生園の資料館でも、手紙が残されているのを読んだ。なんて酷いと思っていた。けれど、故郷の親族たちは心から絶縁しているのでは無かったことを、今日 知った。一方からの視点だけで物事を考えてはいけなかった。
そうさせていたのは、私たちの生きる社会の差別感情で、家族の方々を追い込んでいたのは私たち。例えば、そのことから逃げ続けていた家族のパネラーのかた。決して誰にも言ってはならないという思いをずっと抱えて生きること。そうせざるを得ないのは、子孫にまで及ぶ結婚差別への恐怖だったり、墓参に行ってもぶつけられる心無い言葉。

ハンセン病療養所にいる方々の平均年齢は82歳という。日本の国が謝罪したのは2001年。
今はもう患者はいないので、療養所では後遺症で、体の機能が低下して介護の必要な高齢者の方々が生活しているという形だ。退所して生活しているかたも勿論沢山いらっしゃるが、密やかに暮らす方も多い。ご本人が亡くなられたら終わりなのか…。そうではない。子や孫までそれが続く。なくなる時にどなたに連絡を取るか?それを受け入れるかいれないか。

隠す必要が無い、そんな社会でないとダメだ。そうなるには、個人の集まりである社会、一人ずつの偏見やそのような忌み嫌うムードなど空気感を拒絶すること。そのような言葉や態度に同意しないで立ち向かうというエネルギーくらい持ちたい。彼らの苦しみの一カケラも背負ったとは言えないくらいだもの。

今日歌ってくれた 沢 知恵さん。久しぶりに聞かせていただいたけど。塔 和子さんの詩を歌い、朗読すると言葉が勢いづいて、迫ってくる。塔さんのかわりに詩が音になる瞬間、ポーンと胸に音の振動がやってきた。

沢知恵さんのサイトはこちら

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