父も相方の父も看取ったのは、ホスピスだった。淀川キリスト教病院と立花病院とそれぞれ違ったが。今日観た、ドキュメンタリー映画「いのちがいちばん輝く日」は、そんなホスピスの日常を描いている。この映画は、滋賀のヴォーリズ記念病院が開設するホスピス「希望館」が舞台。
ホスピス医の細井先生を初めとしてスタッフのみなさんが、本当に丁寧に一人一人の患者さんに寄り添い、生きる希望を持ってもらいながら、生を全うする手助けをしている。
映画の冒頭から「お見送りの会」という患者さんをかこみ、思い出をスタッフが語るシーン。
最後のシーンも、同じく「お見送りの会」。こうして生を全うした後、家族にここでの思い出を語ることは、葬式という社会生活に対する儀式と違い、残されたものに魂のケアをし、命を引き継いで行くという使命を受け止めさせてくれる。凝縮された濃密な時間。
患者さんは、ここでは元気になる。父もそうだった。痛みをとるケアのおかげで表情もかわり一旦元気になる。映画に登場する男性は、生まれたばかりの孫に会いたいという希望をもつ。滋賀県から息子の住む東京までの移動手段はどうするか、急変や痛み対策はどうするか、丁寧に対処され、無事に新幹線に乗って生まれたての孫をだくおじいちゃんは、それは嬉しそうだった。
決して状態の良くない、いつまで頑張れるか分からない中、支える医師。
初めて知ったのだけど、新幹線には多目的室というのがあって、移動中横になれる部屋があり、付き添いも一人入れる。そこを利用したのだが、そういうのを知っておくのもいいかなと思った。
まだ、ホスピスを知らない方にぜひ見てもらいたい映画だった。