昨日から、十三の第七藝術劇場で公開されている、イタリア系の若い二人の監督さんが撮ったドキュメンタリー映画「誰も知らない基地のこと」を見てきた。
沖縄以外の米軍基地については、あまり知ることがなかった。イタリアのピチェンツア、インド洋の島ディエゴ・ガルシア島、沖縄の普天間、辺野古、高江の米軍基地を取材し、アメリカが世界に基地を増やし続ける理由をチョムスキーなどの識者達へのインタビューし、また基地がある場所の人々の言葉を通じて問題を問いかける。
ガルシア島に至っては、米軍基地ができるので危険なためという理由で島民を全員移住させてしまった。ところが、基地ができたらそこは、軍の広報ビデオでは、釣りを始め、数々のマリンスポーツが楽しめ、美しい島の基地であるとアピールしている。ガルシアの人々は帰島を願い訴訟を起こしている。
基地は、第二次世界大戦の敗戦国に多い。それと同様に、数々の紛争に出張って行った米軍は新たにそこに基地をつくり増殖させてきた。まるでガン細胞だと、今は亡き元ベトナム帰還兵で平和運動家のアラン・ネルソンさんが映画で言っていた。
はっとしたのは、「戦争のためにあったはずの軍事基地が軍事基地を維持するために戦争をするようになった」という言葉。軍産複合体という金ヅルを離さないアメリカはとても危険な国だ。
東西冷戦以降、敵を見つけては膨らむ米軍基地。これがアメリカ帝国主義の植民地政策。
基地というものがどんなに違和感のある存在であるかを私たちはもっと知らなければならない。
普天間から米兵がアメリカに帰国するために輸送機が飛び立つのは、午前3時頃だという。
それは、到着するのが明るい安全な時間に着陸できるための配慮らしい。当然、普天間の人々は叩き起こされる。それが、占領ということなのか。
それでも、各地の人々は抵抗しつづける。
この映画と、来週から公開シアターセブンで公開の藤本幸久・影山あさ子監督作品ラブ沖縄@辺野古@高江は、もう一度基地を考える機会になると思う。
「誰も知らない基地のこと」HP http://kichimondai.com
予告編
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=XW7HxXdkAYU&feature=youtube_gdata_player[/youtube]