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2009年12月23日

ただいま

10月1日で終っているブログから、時間がたってしまった。

その翌日に、急な父の入院。痛み止めを調整するために2週間の予定だったが、先月に最後はホスピスで最後を看取った。

「何故?」という思いや「こうしてあげれば良かった」という思いなど、さんざん巡る思いは誰もが毎日、誰かを失う過程において起こっている小さな思いなのだとは感じる。わかってはいるけれど失うということはこういうことなんだなと、また思う。

世の中に大往生などということばがあったとしても、それを他人に使うのはやめようとこのたびに思った。仕事でお客さんに「いくつになっても(親が)いなくなるのは寂しいね」と語り涙ぐんでくれた。もう、10数年前に亡くした親のことを思い出させてしまったのだろう。

つくづく、コトバの空虚と、現実が連綿とやってくる時間に胸が詰まる時がたびたびあったので。

結局、がんに負けた。
でも、がんと闘かわないでもいいんだな。とも思う。
同じ年に、結局私は、肉親を2人肺がんで奪われた。
最後まで、生ききるためにはいろんな自分の選択が重要であるということ。特にがんという病気の多様さ、つらい症状、年齢の違いによっても色んな選択肢がある。情報戦であるということ。

最後の4日間。
ホスピスでは幸せな時が流れていた。
「無伴奏チェロ組曲」やハイドン、父の好きな曲をたっぷり、和室のベッドサイドで流した。静かな時。8月まで楽器を教えていた父は、生徒さんとも楽しげに話していた。
そうして、たくさんの身内に囲まて・・・
ホスピスの医師や看護師は素晴らしかったので、私ががんになったら最後はホスピスに行きたいと思う。さあ、来年はエンディングノートを準備して、自分の最後について
書き残していこう。

投稿者 pianocraft : 20:41 | コメント (5) | トラックバック