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2010年02月17日
沖縄の声 ~知念ウシさん講演会~
沖縄を考える時、ときどき韓国を侵略した日本人としての感覚とおなじような後ろめたさを感じていた。
それは、直球のコトバで私を突いてくる知念ウシさんの文章を読んでからなおさらのことだった。
2004年に寄せられたコトバ 原文はリンクへ
http://mytown.asahi.com/okinawa/news.php?k_id=48000119999991184
「沖縄が好き。癒やされる」。どこにでも入れる魔法の無料チケットみたいに言う。そして、基地をテイクアウトしてくださいよ。と続いていく。
いつも思うんだけれど、この人たちは沖縄から帰ったあと何をしているんだろう。
「ねえ、どうしているんですか? 沖縄から帰った五百万人が国会議事堂に直行して座り込めば、沖縄の基地は一挙になくなりますよ。沖縄が好きなんでしょう。基地をなくしてくださいよ。そしたら、もっといい沖縄になりますから」。
そのコトバの人に会って話を聞いてみたいと思い、昨日2月15日関西沖縄文庫の講演会を訪ねた。ちょうど、ウシさんの記事が今日の朝日新聞に掲載されている。
昨日のお話をもう一度、補填するような気分で読んだ。
今日の朝日の記事は、「沖縄米軍基地・本土移設論を聞く」 http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000001002160002
ずっと自分の中に引っかかっていた感覚、基地の負担を抱える沖縄の人に気持ちにどう繋がっていけるのか。沖縄の人にとっての、ヤマト・本土の人間に対する不信をどう払拭できるのか。そして、何ができるのか・・・
けれど、その感覚そのものが自分の立っている場所そのものが間違っていると、ウシさんの発言で気づかされた。それは、たんなる同情という名前のものであって、あきらかに基地がやってこないであろうと感じているこの大阪の人間の安穏とした、轟音の響かない、米軍と出会うこともない安全な土地にいるからこそ生まれる感情でしかないということを。
基地問題=本土問題。沖縄問題とかいうけれど、当事者の多くは本土の人間であり、沖縄は被害者である。ふと、障がい者問題という時と同じやなと気づいた。
障がい者問題とはいっても、問題のあるのは障がいを持ったひと以外の人間なのであり、社会である。そのあり方を考える問題であることを思えば、基地の問題は、まさに私たちの問題である。
県外移設=本土へという、沖縄の声はまっとうだ。
ウシさんは、先住民の暮すグアムやマリアナ諸島への移設も反対だ。といっている。私は、米軍は米領へ帰るのがいいと思っていた。もちろん安保が反対なので、沖縄からも本土からも基地をなくしてほしいと思っている。けれど、多くの日本人が安保を必要と感じているから、米軍は日本を守ってくれていると信じている。それならば、日本の本土に基地をおくべきだ。応分に沖縄から引き上げて、例えば橋下の言うように関西に持ってくる議論をすべきだろう。何故、県外移設→本土へと沖縄の人が言うのかやっと理解した。
いまだに、沖縄は本土・ヤマトの植民地である。基地を押し付けられ、かたやリゾート地として開発される。薩摩に侵略されて以来一度も開放されない沖縄。
これからの基地問題をどう、本土人としての自分が取り扱うのか。どうすればいいのかより深い悩みを抱えてしまった。ウシさんはいう「あななたちの問題でしょ」と。
投稿者 pianocraft : 2010年02月17日 00:05
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コメント
こんばんは
>橋下の言うように関西に持ってくる
私も「それも良しとせざるを得ないかも」と考えたのですが、ふと「それは自分が関空近隣に済んでいないからでは?」と思い至りました。その過程を経て、やっと自分の家近くに米軍基地があることの恐怖をまざまざとイメージできた次第です。
でもこれは「沖縄の問題」ではないことは明白で、本当にどうすればよいのかとても悩ましいです。
投稿者 りん : 2010年02月22日 21:19
りんさん。こんばんは。
関空の橋下案、これは原発を都会に持ってくればよいと言う感覚と同じです。そのことを一度でも現実的に考えただろうかという意味において、「あり」であるというショック療法みたいな感覚を味わってみようとあえて私は思いました。やっぱり本当に嫌ですよね。
米軍は、米国へ引き上げていただくのが一番だろうと思います。
私やりんさんがそうでないとしても、安保を支持する人は大勢、本土に居ます。そうならば、犠牲は本土で。というウシさんの訴えは正論ではないでしょうか?
私たちがどうするか?これは、大いなる悩みですね。
投稿者 pianocraft : 2010年02月25日 22:34