2009年06月21日
「ユーゴスラビアの崩壊」を再放送で見た
NHK BSで、1週間にわたり、1996年に放送された「ユーゴスラビアの崩壊」を再放送でみた。
第1回 民族主義の台頭
第2回 戦争への道
第3回 独立戦争
第4回 地獄の門
第5回 安全地帯
第6回 アメリカによる和平
今はもう亡くなったミロシェビッチや、ICCで逮捕されているカラジッチなどの関係者が、インタビューに答えており、民族主義がいかに生まれ、利用され、破壊へ繋がるかを生なましい政治家の証言で明らかにされていく。
夜中の12時10分から見る習慣がついてしまい。家族みんな、夜更かしの日々を送ってしまった。
しかし、前に観た映画「カルラのリスト」でもスレブレニツァで虐殺されたのイスラム教徒の遺族達の姿がでてくるが、このシリーズでは、1つところの被害がいかなるものであったかについては詳しく触れられていない。
しかし、あまりにも複雑な国、紛争の絡みあう、人々の憎悪の連鎖に今まで理解が及ばなかったけれど、毎日毎日見た収穫は、政治が民族主義を利用する時、恐怖や憎悪を掻き立てる手段は選ばないこと。そして、戦争に突入しても、インタビューに応じていた人間達は生き残っていたわけだ。
多くの犠牲は、普通の人々。政治は、大量虐殺を行うこと。平気で。人に刷り込んだ憎悪を武器に人を操り、地獄へ送る。その成果は何なんだろう。
戦争へ突入する緊張や、政治家の思惑、段階を踏んで飛び火する民族主義。
人と人が混ざり合って生活していたころに戻れなくしてしまう。こうして分断されるんだ。と。
パレスチナの問題もそう。分断。奪い合う領土。
けれどこれは、もっと身近に今もありつづける重要なテーマだ。
惑わされず、だまされないでいるのには、相当な努力と覚悟がいりそうだ。人間は弱く、恐怖に支配されると過剰に攻撃的になる。平和を維持するというのは本当に力のいる作業だ。
総選挙をにらんで、変な宗教がらみの政党とかも出てきて(最近よく、集会所を見かける。最近近所でも建設された)、とんでもなく荒っぽく、ナンセンスな主張をしているのを偶然、駅前でも見かけた。
じわじわと、ソマリアの問題を許した後に、何をたくらんでいるか。
気をつけて、気がつくか・・・
投稿者 pianocraft : 2009年06月21日 22:34
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コメント
こんばんは。
ご家族でしかも生で観られたとはすごい!
私はたまたま初回を観て、続きは録画して1日遅れでどれも食い入るように観ていました。確かに構造的なものはよくわかりました。
数日後これもたまたま民放で観たのですが、コソボフィルハーモニーの指揮者をしているある日本人の活動をとりあげていました。
今も対立が続くコソボのアルバニア人とセルビア人。橋をはさんで居住区も分かれているのですが、彼はふたつの民族の混合オーケストラによるコンサートを実現させました。
楽団員同士、最初は握手もしなかったものが次第に心通わせていくようすが伝わりました。
両民族が互いに渡ることのなかった橋を超えてのコンサートでした。
柳澤寿男さんという指揮者の方のことも初めて知りました。
投稿者 りん : 2009年06月23日 23:25
りんさん、お久し振りです。
ユーゴ繋がりの、オーケストラの番組。私も観ました。
ついね。一週間、ユーゴ漬けでしたから、反応してしまいます。
柳澤さんの努力は、音楽家という普通の人々の心の癒えない傷を少しでも修復したいという気持ちが強くでていました。
音楽を使うと、近道でもあります。一緒に何かを楽しむ、友達を作る。するとセルビア人とかクロアチア人でなく、~さんという友人ができる。これは、いい感じです。
実際は、中々人々の交流が進むのは難しいのでしょうが、是非、草の根の努力をして欲しいものです。
あの渡れない橋は、印象的でした。
投稿者 pianocraft : 2009年06月24日 22:13