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2008年11月30日

アジアプレス記者のお話

29日土曜日の、「 ~ジャーナリストと話そう~アジアプレス現場報告 イラクと北朝鮮はいま-知りたいことと、伝えたいこと」に行ってきた。

90名先着とあったが、結果120名ほどの参加者だったようだ。大勢の人がアジアプレスに関心をもっているということは、とてもいいと思うのだけど。
この会は、アジアプレスの記者がイラク・北朝鮮の取材をとおして現状を報告する部分と、直接質疑応答に彼らが応じるパートに分かれていた。午後1時30分より始まり、修了は7時半と6時間にわたって、多くのことが語られた。

イラクが報道される時は自爆テロがどこかであったときに、何人が犠牲になったという程度の情報しか入らない。イラクで生きている人々はどんな生活を今しているのか?先日、イラクで米軍と地位協定が承認されたが、日本の沖縄にある地位協定より、イラクの主張が入っている。

(1)09年6月までに都市部などから米軍戦闘部隊が撤退(2)任務外の米兵による重大犯罪はイラク側が第1次裁判権を持つ(3)米軍はイラク側の令状なしに家宅捜索しない(4)イラクを他国への攻撃拠点としない-などを規定した。
共同ニュースより引用

そんな米軍がいることを承認するのは、反発があってしかりなのだが、報告会できいたことは、実際にイラクに住む人々はもっと現実的な気持ちをもっている。それは、誰でもいいから速く治安を安定させてほしい。ということだ。

外国人記者が狙われ、危ないが、外国人記者はそこへ行かなければすむが、イラク人記者も危険は同様で、記者は顔を隠す目だし帽のようなのを被り取材するそうだ。狙われるのは自分だけでなく、家族も同様なのでとても危険だそうだ。誘拐・拉致の目的は、いまは、宗教的・政治的・金目的・雇われ仕事など入り混じっており、何で襲われるかは分からない状況。一刻も速く、おちついた生活がしたい。
米軍がひどいことは知っているが、治安維持の一助になっているのですぐに撤退して欲しいとは思わない。という本音。

クルド人の取材が多い、坂本記者は、スン二・シーア・キリスト教、クルド人、そして米軍色んなものが対立しているが、現状が悪いのはお互いに誰かのせいにしているだけだ。と言う。本当にイラクが落ち着くには多くの・多くのプロセスが必要なのだろうなと感じた。

そして、未知の北朝鮮。石丸次郎さんが熱くかたり、写真展をつうじて、内部の人から届いた本当の朝鮮の姿を私たちに見せる。

朝鮮に関する情報があまりにもないので、石丸さんの話は驚くべきことばかりだった。
そして、いかに作り上げられた(多くはマスコミからの)イメージで漠然と、「わけのわからない国」だった朝鮮。

拉致の問題はとても酷いことだと思う。けれど、その国の政治や体制を批判することと、その国の人々を知ることとは別の問題だ。
本当に、厳しい食糧事情であり、国からの配給が途切れ、給料ももらえず、軍の兵隊ですら、動くと腹が減るので訓練などしないようにいわれている。ぶらぶらして、横流し商品で市場経済ができてきている。
統制がとどかない部分が多くなってきているということが、写真の中にもはっきりあらわれてた。

そして何より、北朝鮮の普通の人々は、自らの国を知るすべを絶たれている。
何で自力で、農業をしたり、生産をして食べていけないの?という疑問をうけ、石丸さんは、北朝鮮の農業というのは、代々農業をする家がついでいく仕組みで、昔の日本の庄屋が小作を使うのと似た構造で上から下へ搾取される仕組みだそうだ。なので、自由に農耕をできる環境でない。しかも、互いに監視するシステムがあるので、クーデターをくわだてるのもできない。
 ただ、「誰かが改革してほしい」という願いはもっているようで、今の体制が変わって欲しいという気持ちはあるそうだ。

北朝鮮の人が内部から発信する情報で作られている雑誌を一度ご覧いただきたい。
私も1部かって帰りました。
リムジンガン http://www.asiapress.org/rimjingang/
アジアプレスのHP
http://asiapress.org/

来年は、飢饉になるのではないかと、石丸さんはいう。
貧困が飢餓が、すべての憎悪の始まりのような気が私はしている。追い込まれた人間は、襲ったり奪ったりしないと生きていけなくなる。中東やアフリカの国の部族・宗教対立だって、誰かだけがおなか一杯になったり、贅沢をひとりじめせずに、みんなが食べていける状況ならば、許容も生まれるように思うのだ。日本の貧困からも憎悪が立ち上っているように思う。

北朝鮮の人をまず、食べれるようにすると何か変わってきそうなきがするのだけど。

投稿者 pianocraft : 2008年11月30日 21:21

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コメント

こんばんは。
行かれたのですか。私も新聞で案内を見つけて、とっても参加したかったのです!でもこの日は夜までシフトが入っていたのであきらめました・・・。

特に北朝鮮のことは気になります。距離的にも近く、また歴史的にも深い関わりのある国です。その地で人々はいったいどのように暮らしているのでしょう。
さらに、来年は飢饉・・・ですか。
『リムジンガン』、HPで見てみました。
創刊号と2号、どちらがお勧めでしょうか?(ちょっと高いので両方購入するのはしんどいです)

投稿者 りん : 2008年12月01日 23:41

りんさん、こんばんは。

「リムジンガン」ですが、北朝鮮のこと、やはり驚きの内容が書かれています。

私も2冊は躊躇して、夏に出た2号目のほうを購入しました。
創刊号は、核問題などとあったので、違うのにしてみたのです。HPにWEB版サンプルもありました。

朝鮮の人々の暮らしは、本当に見えてきてません。
それと同様に、彼らも情報をたたれていて、自分たちの生活の苦しさも「こういうもんなのだろう」と、比較する基準も持っていません。

投稿者 pianocraft : 2008年12月02日 23:58

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