« NHKスペシャル「ワーキンブプア ⅠⅡ」再放送 | メイン | 今年がすぎていく »
2007年12月17日
NHKスペシャル ワーキングプアⅢ
日曜日の夜、忘れずにNHKのワーキンブプアⅢを見た。
今回は、海外の状況、打開策など・・・と解説があったので少し期待をもって、見てみた。
内容は、さらに掘り下げていて見ごたえがあった。
番組では、海外での事情を取り上げている。非正規雇用大国のお隣韓国も、学歴競争が過激なのにもかかわらず、若い人の就職が厳しい現実がある。日本と同じようにアメリカに追随して市場原理主義の政策がもたらしたその姿は、日本と似ている。さらに良くないのが、医療保険制度が不安定なこと。
日本の誇るべき制度、健康保険制度は守らなくてはならない。
焼身自殺で雇用のない抗議をした人。日本でも自殺者は多いが、精神性はアジアでは似通っているのかな?と思ってしまった。
さらにワーキングプアの現実はアメリカでも。日本の先を行く雇用不安を知る。
IT関連の仕事から職を失った人は、インドへ外注されるグローバル経済の被害者となっている。
後半は、対策を取っている実例を紹介している。
アメリカで、日本で、イギリスで。生活を支えるための労働をちゃんと受け継いでいくため、公的資金を投入して、職業訓練を行う。自分の努力でもう、どうにもならないということが明かされている。
貧困の連鎖を断ち切るために、子供のうちから教育の場でも、街でも、多くの支援の手が用意されている。日本も、自己責任論をもういい加減にやめて、誰の身にも起こりうること、根本的支援の方法。
教育の機会の格差を無くす方法など、いくらでもやれることがあるだろうし、やらなくてはならない状況だと思った。
最後に、ワーキンブプアⅡで、親の貧困のために30代でホームレスの生活をし、コンビニで漫画雑誌を拾い、換金して、一日600円ほどで生活をしている岩井さんという青年が再登場している。
今は、ホームレスの人を支援する請負仕事をして収入を得ており、路上生活ながらも食事もとれ、お風呂屋さんにも行くといった生活ができていた。
最後に、インタビューで涙で言葉が詰まってしまった岩井さん。
「生まれてこなければ良かった」と思っていた、今もそんなときはあるのだけど、「人を信じられるようになった。」といい目頭を拭いていた。
生きていても死んでいるような、人間らしい感情をもつことさえ許されない厳しい生活に追い込まれる状況を作っているのは、私たちの社会だと思うと、とても痛い気持ちになった。
この放送の感想をとても丁寧に書いておられるサイトを紹介しておきます。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor5.html
投稿者 pianocraft : 2007年12月17日 22:59
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.pianocraftwork.com/mt/mt-tb.cgi/362