« 少しだけ・・・エキストラデビュー | メイン | 服部良一 生誕100年 »

2007年10月03日

芝居がはねて・・・

sibai.jpg
名村造船所跡地(舞台袖)から大正区をながめる

ロヲ=タァル=ヴォガの十周年記念公園【新青年】の舞台が終わった。
10月1日に追加公演も行い、のべ1000名を超える来場があったという。

私がエキストラ参加したのは、3日間だけだったが、舞台を作っていく過程をリハーサルで見たり、演出の近藤氏のこの舞台にかける思いの話などを聞いて参加したことが、楽しくもあり、面白がることもできたと思っている。(もちろん、ブログがかけないくらい・・・仕事と掛け持ちで疲れたのも事実)

広い造船所跡地の舞台は、対岸の大正区の工場郡を借景にした位置に配されて、舞台が始まる時間には照明効果とともに工場の明かりが印象的だった。
私たちエキストラは、政治家の長老の役どころだったがちょっとした高さのある「長老席」から、舞台の中で進行して行く、総理の若いころの仲間の思いをつづる「新青年」の動きや現在の状況を時間軸がいったりきたりする中で、上から要所要所に出現する。

舞台のオブジェと化するようなそんなイメージだ。

舞台が初日を迎えるころは、残暑が強烈な日々だったのだが、後半になってぐっと秋めき、肌寒い日さえあるような、まさに季節をまたぐ公演となった。
季節だけでなく、政治の季節もこの舞台の初日に新総理誕生という、芝居のテーマとまるでリンクするような動きがあった、ミャンマーでなくなられたジャーナリストの話も芝居の一シーンとして重なるものがあったし、妙なリアルさを感じる。

虚構が現実にくるまれて異空間をつくっているかのよう。

若いスタッフや役者が動く中で、舞台つくりの時間に参加できたのは楽しかった。
役者の中で、映画「ヒロシマナガサキ」に出演していた女性とであった。
彼女は、今回は役者として出演していたが、映画のなかでは、ゲリラライブを行っている二人組みの女性ミュージシャン「あふりらんぽ」のぴかちゅう。

彼女は印象的な役回りで、怒りのドラムを劇中も叩く。
映画のことで少し話ができた。
映画「ヒロシマナガサキ」の最初のほうの彼女たちのシーンは東京の交差点でゲリラ的に演奏して撮影したらしく、警察にひっぱられたり、それは大変だったらしい。
彼女自身は、映画冒頭のインタビューでで若い人たちが8月6日のこと9日のことを知らないことに、怒りを感じていた。
もっと多くの人に知って欲しいという思い。

あの映画は、若い人にはシリアスで、キツイ映画という印象で、余り周りの人が見ていないと彼女は言っていた。私は、ある程度の年齢の人間はけっこうしっている(片寄りがあるかとおもうが)内容をもう一度、違う角度も含めて見せている映画だと思っていたので、あらためて強烈に思いを重ねたというより
静かに潜行する思いを強めたという感じがしていた。

知らない・・・という若い人にとっては、センセーショナルな事実。しっていても知りたくないのか、見たくないのか、考えたくないのか。けれど、今回の芝居のように、思いのある若い人も多くいると思う。

いろんな人とであえた。これは、また一つ、宝物のような時間だったとおもう。

長老役の人たちもユニークな人ばかりで、楽しかった。確かに舞台にでてやろうっていう好奇心の強い人たちばかりなんだから。

10月は、また古い歌を歌うステージのために、練習をします。

投稿者 pianocraft : 2007年10月03日 22:14

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.pianocraftwork.com/mt/mt-tb.cgi/352

コメント

こんばんは。お疲れ様でした。いろんな出会いがあったのですね。結局まだ遠くにまで映画を見に行ける元気がないので,「ヒロシマ,ナガサキ」は見逃してしまいましたが,知っている事だけでも,次の世代に伝える努力はしたいです。どこかでいろんな人とつながって。

投稿者 KATEK : 2007年10月04日 18:58

KATEKさん。こんばんは。
本当に人と出会い、繋がることが一番だと思います。
特に、若い人と出会うといろんな意味でその感性が豊かで敏感なときに知っておいて欲しいと思うことがあります。

「ヒロシマナガサキ」はホントに渋谷の街から映画がはじまるのです。若い人にインタビューするシーンから。

投稿者 pianocraft : 2007年10月04日 21:27

いやぁ、お疲れさま。(ちょっぴり、うらやましさも込めて)
先日、劇団コーロの「ハンナのかばん」を観てきました。
「1つのかばんに秘められた歴史
2000年、アウシュビッツから東京に届いた少女のかばん」
このようなむつかしいテーマを、舞台という限られた空間でどう展開するのか?との興味もありました。
団員の熱演はもちろん、脚本や構成、小道具もたいへんよくできており、改めて舞台の魅力を感じたしだいです。それを内側で体験されたpianocraftさん、いいなぁ・・・。
でもこのエントリーでも、いい時間をもたれたことが伝わり、「おすそわけ」を頂いたような気分になっちゃいました。

『ヒロシマナガサキ』製作にあたってはご苦労もあったようですが、後世にも伝えられるであろうすばらしい映画だと思います。

投稿者 りん : 2007年10月04日 21:55

りんさん、こんにちは。
是非、次回ヴォガのエキストラ募集があれば、お声賭けしましょう!! ちなみに、いつもスタッフや役者を募集してるみたいですよ。

舞台には、いくつもの大きな変更があったり、幕があくまでにかなりガタガタしていますね。役者は裏方もしながら、合宿状態で舞台を作り上げていました。彼らの疲労も大変なものだったろうと思いますが、若いからね・・・。なにより無理してしまうのでしょう。

舞台を見る楽しみもすてきですね。

投稿者 pianocraft : 2007年10月05日 14:11

コメントしてください




保存しますか?