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2007年09月01日
夕凪の街 桜の国
もうすぐ、各地での公開が終了してしまう!
あせりながら、やっと映画館へ足を運びました。
tamyさんから、ご紹介いただき、コミックを何度も読み返した作品です。
映画は、原作に忠実でコミックで描かれた風景がおおきく、はっきりと目の前に現れたという印象。
「夕凪の街 桜の国」 二つの時代が、ひとつづきで今もなお続いている、ヒロシマでの被害を静かに訴えます。
今年は、ドキュメンタリー「ヒロシマ ナガサキ」も見たけれど、こちらは怒りが先にたった。アメリカに対してというよりも、いまだに核兵器が存在するということに。
こういう現実を踏まえたうえで、フィクションである「夕凪の街 桜の国」を見た私は、涙を止めることができなかった。
2世代のヒバクシャ家族の伝えたもの、伝えなかったものをつむぎ出していく。
「おまえの住む世界はそっちじゃない」とつぶやく声を思いつづける悲しさ。わけがわからない恐怖と背中合わせに、前向きに生きることの尊さ。
核の被害は延々と苦しみを与える手をゆるめない。
この映画は、悲しみとともに未来へつなぐ力も与えてくれる。これからも、映画の先の時代は現実の中で進んでいく。そこに、居る人間としてできることは、まず、この映画を見てもらいたいと勧めることかもしれない。
あまりないことなのだけれど、映画館を出てしばらくは呆然と、ただぼんやりと抜け殻のように歩いていた。そんな映画だった。
投稿者 pianocraft : 2007年09月01日 00:36
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コメント
本当に,この映画は泣けて泣けて・・・。感情を喚起しながら現実を考えるという機会がなかなかもてないなか,この映画はいいですよね。髪飾りがずっと受け継がれていくだろうことと思います。わたしもこの映画を見て以来,ずっとこの時代に引き寄せられています。もっと知りたいと思って。できればいろんなことつなぎあわせたいものです。
投稿者 KATEK : 2007年09月02日 00:25
KATEKさん、こんばんは。
ドキュメンタリーで現実を知らされるというのと違い、この映画は人の感情に強烈に訴えてきます。
決して直接的でないのですが、この映画がカンヌに持っていかれるとのこと、世界の反応がまた知りたいですね。
投稿者 pianocraft : 2007年09月02日 23:32