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2007年05月06日
「癒しの島、沖縄の真実」
癒しの島、沖縄の真実
著:野里 洋 ソフトバンク新書
この本の存在は、友人から教えてもらった。私が、沖縄に行ったことないくせに三線と沖縄や八重山の島々に思いを馳せているのを知っているからだ。
そういえば、ちょうど連休の間のTV番組で、石垣島に移住するヤマトの人がとても増えているという話題が放送されていた。けれど、そのうちの80%が島を離れるそうで定着率が悪い。理由は、やはり住んでみたけど、村に馴染めないとうことらしい。(歌ったり踊ったりをうるさいと思う人もいるようで。)
この本は、沖縄の特異性を石川県出身であり、琉球新報の記者として40年にわたって沖縄に住み続けている著者の視点から書いている。それを読んでみて、「癒しの島」だけではない沖縄の生活・歴史・戦後の真実を知ると、移住するには本当に沖縄にほれ込み、そこの人と一緒に生きる覚悟のある人たちしか無理だろうな・・と感じさせる。
沖縄の政治的問題、基地におびやかされながらも、依存を余儀なくさせられている現実。返還されたときの「本土並み」「同化」への強く本土に焦がれる思いから、今の独立したアイデンティティーをもつ、魅力ある沖縄の自立に向う変化へ、著者は愛する沖縄に厳しい目も、暖かい目も持ってみている。
移民県として知られ、世界に散らばる沖縄出身の人たちが、やはり各地で三線をかき鳴らし、歌い踊っている姿を知ると、歌で厳しいときも乗り越えてきた人々のたくましさに感動する。
この本で、あらためて占領時代の沖縄、復帰前後の沖縄、基地問題を抱える沖縄、古い習慣で問題をもつ沖縄。そして、すばらしい沖縄の人々、日本でありながら日本でない文化として紹介しているこの本を読む価値はあった。
私は、沖縄でよく歌われる「十九の春」を歌うのが好きだ。これは、もともとヤマトのはやり歌だった。
この歌の歌詞は、言葉通り、不倫の(おそらく商売の女性とお客)男女の歌なのではなく、私にとってその男女は沖縄と本土の悲恋の物語であると思っている。
主さん主さんと呼んだとて、主さんにゃ 立派なかたがいる
いくら主さんと呼んだとて、 一生添えない片思い
本土にはアメリカという本妻がいる。基地にはばまれ、添えない思い。というような具合に・・・・
投稿者 pianocraft : 2007年05月06日 21:26
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