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2006年10月06日
核は静かに被爆者を増やす
北朝鮮の核実験の問題がかますびしい。アメリカの核実験はどうなんだ。今年も8月に23回目の臨界前核実験を行っている。核兵器を抑止力になるなんてナンセンスだ。
映画「六ヶ所村ラプソディー」の上映会のときに販売していた、鎌仲ひとみ監督と肥田医師による共著の、「内部被爆の脅威」原爆から劣化ウラン弾まで を読んだ。
核兵器をつかわなくとも、原発がある限り、被爆者は世界中にどんどん増えていく。この地球が、人工的な放射能汚染に果てしなくさらされていく。人が自覚しようがしまいが・・・というのがこの本でしる怖いところだ。被爆というのは、外部から熱線でやられることだけでなく、いろんなところに舞い降りた放射線が、空気を媒介に、食べ物を媒介に、水を媒介にして、人間に取り込まれている。
それは、時限爆弾をかかえたように、長い時間をかけて遺伝子に傷をつける。体の中で濃縮され放射能を出し続ける。癌をつくることもする。
内部被爆について、劣化ウラン弾を使用した、アフガンや湾岸戦争、イラク戦争でアメリカ兵が政府に訴訟をおこしているが、アメリカ政府はそれを認めようとはしない。イラクで使われていた化学兵器の影響だとか何とかいって。でも、原爆の開発段階から内部被爆に関する研究は行われており、どういった影響があるかは、実は知っているはずなのだった。
北朝鮮の核実験が失敗したら、核汚染がどうひろがるか?とかいろいろ取りざたされているが、今だって日本の海に停泊しているアメリカの原潜の周辺からも汚染が報告されている。放射能まみれなのだすでに。おそらく、チェルノブイリからヨーロッパは学んだことも多いとおもうけれど、日本は被爆国なのに
被爆者の認定にこの「内部被爆」で長年にわたり苦しんでいる人たちを救済していない。赤い背中の青年も老人になったいまも、体内の放射線と同居して、苦しんでいるのだ。
なんてひどい仕打ちだろうか。徐々に人を死にやるものは、人が人に向けて放ったものだ。
核廃絶の運動は、原発も含め、人々の生活に関わる大きな部分もすべて変えていくところから始めなくてはいけないようだ。被爆国です。とっていもいまや、何処の国にも原発があるので、被爆国というのは核を利用するすべての国であるといえる。人々の命と引き換えに、苦しみと引き換えに、使う電気って何だ?
本に紹介されている本。
アイリーン・ウエルサム著「プルトニウムファイル」
山崎正勝、日野川静枝編著「原爆はこうして開発された」
投稿者 pianocraft : 2006年10月06日 22:22
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久しぶりの書き込みです。
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コメント
こんばんは。
アメリカの核実験は良くて北朝鮮はダメ、というのがわからない。北朝鮮はまるでだだっ子だしアメリカは自分勝手。日本もアメリカには何も言えない・・・。
何だか今回の騒ぎもとても嫌な感じです。
放射能はもちろん化学物質の地球汚染は既に深刻だと思います。生態系への悪影響はさぞ大きいことでしょう。
原発に限っても、その恩恵である「快適や便利」を享受している私たちは因果応報があっても当然かもしれません。
でもひとたび大事故になれば、そんな恩恵に無縁の人たちも被害を受けることにもなります。
今の時代の「快適や便利」はとても自分勝手なものですね。
投稿者 hana : 2006年10月07日 20:31
hanaさん、こんばんは。核廃絶の運動の方向性をもっと、身近で現実的なものにしないと、実感がわいてこないのかもしれないな・・・と思ったりします。
そのために、鎌仲ひとみさんは、「ヒバクシャ」を撮り世界で、増え続ける現在の被爆者の姿を追い、「六ヶ所村ラプソディー」では、本当に身近にある原発に焦点をあてました。
核の問題は、何も原爆だけでないことが、より恐ろしく感じます。「便利」に利用する私たちの弱みに付け込んで、日本政府やアメリカ政府は取り返しのつかない、核のリサイクルをやっています。北朝鮮の核実験で、不満の矛先を変えるようなことでは、私たちは、利用され犠牲になるだけです。
命とひきかえの電気なんてね。いやですね。
投稿者 pianocrft : 2006年10月07日 21:28
こんにちは。体調のせいでお訪ねするのが毎日とはいかない状態です。でもいつも,刺激されてます。9月末に発売になった絵本『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』というのを買いたいなと思っています。映画『黒い雲』もみたいです。地湧社から,ずいぶん前に『まだ間に合うのなら』という原発についてののブックレットが出て当時流行りましたが,また新しい形で同じ地湧社から本が出ます。これもチェックです。
投稿者 KATEK : 2006年10月09日 18:00
KATEKさん。こんにちは。
私も、まだらなネットサーフィンです。いい情報ありがとうございます。東京で「六ヶ所村ラプソディー」が公開になっていますので、体調がよければ是非ご覧ください。
淡々とした、六ヶ所村での人々の暮らしと、美しいチューリップ畑がでてきます。核は、実に身近な存在であると認識しなおさなくてはならないと思います。電気を使ってる限り。
投稿者 pianocrft : 2006年10月09日 23:53