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2006年03月25日
スポーツ 民族主義
WBCで試合が行われていた期間、異様にテンションの高いイチロー選手が、「日の丸を背負って戦う」と言っているのを聞いた。私にとってこれは気持ち悪い言葉だ。オリンピックもそう。うちでは自衛隊のつける日の丸を見て相方はよく言う。「一発で殺せる急所に日の丸がついてて、狙いやすいな」って。
学校では入学式・卒業式で壇上正面に掲げられる日の丸。いろんなところで、このごろ目にする。
そうは言っても、昔祝祭日は家の前に旗を掲げる金具があり、斜めに旗は掲げられていた。そんなことも覚えている。嫌いになったのは、日本がいつまでたっても戦争で何をしたかを省みないことを知ったとき。
何も知らないということは、無垢でも無邪気でもない。
何故、国際試合になると、お気楽な愛国主義者が大勢現れるんだ?
ことに日本のように、国境を共有する陸続きの線を持たない国は、国の土地を分かつ紛争を今まで経験していないから、いくつかの宗教や民族が移動し混ざり合うという実感がもてないから?国とは何か?
私にとってはいつでも、単なる地球の線引きだ。
確かに他者を受け入れるのは、同じ日本に住む同じ言語を喋る人間でも難しい事がある。
だが、理解しないで拒否するのはとても簡単な事なのだ。争う事もまた簡単。戦争もまた。
相手に対し優位に感じる、裏返せば差別意識をもつとき、民族主義はより高みに上り詰めるように思う。
この間、アメリカのTV番組で話題になっているものがあると知った。
特殊メイクで白人が黒人メイク。黒人が白人メイクをして街にでていつものように生活してみる。
すると、白人メイクで靴屋に行った人が、生れて初めて店員に靴を履かせてもらった。という。反対に黒人メイクの人は「黒人がこの辺には住んでいないから治安がいい」などと皮肉を言われる。
*このTV放送はブログ「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」でも紹介されています。
このように差別意識は誰にでも潜んでいると考えたほうがいい。その上で、自分がその意識とどう関わるかと常に見張っておく必要がある。
イラクでは開戦3年を迎えたが、シーア派・スンニ派の泥沼の争いが続く。
それは宗教が政治に「違い」を利用しようとしているから。差別とはまた違う、「違い」。イデオロギーの違い、信仰の有り方の違い、この世は何ひとつとして同じものは無いと思うのに。
近ければ、近いほど些細な違いに、矛先が向けられていく。
シーア派とスンニ派の見分け方について、「壊れる前に・・・」のうにさんが書いてたな・・・・
リバーベンドの日記を読んでも、小さい時から人からどっちか?とさりげなく聞かれることはあったが、おかあさんにそう言うと、「なぜそんな事を気にするのか?」と言われた。彼女の親戚は半分がスンニ派、半分がシーア派だから。共存はあたりまえ。今、どんなに心を痛めているだろうか?
ローカルに地域を応援する事は良い。それがないと盛り上がらないことも判る。けれど、それが日の丸をしょってるっていうように思わないで欲しい。日本でなくてもいい。友達の国を応援したっていい。
WBCは勝って一瞬喜び、コメントを聞くたびテンションがさがり、興ざめした。
投稿者 pianocraft : 2006年03月25日 22:19
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コメント
こんばんは。野球大好きな私はWBCの試合は引き込まれましたが、報道や巷の騒ぎにはできるだけ耳をふさいでいました。あまりに疎ましいものでしたので。
それでもやはり気になって、イチローがらみのことをブログに書きました。
友人が教えてくれたのですが、少し書き方は違いますが同じようにイチローの言動をとりあげたブログが集中攻撃にあっています。1800件以上ものコメント数でした。
あんなたくさんの人が、パソコンに向って正体も明かさず論戦にもならないようなものをタイピングしているなんて・・・。
一瞬、靖国神社で堂々と声を張り上げている右翼が潔く思えたくらいです。(苦笑)
投稿者 hana : 2006年03月27日 21:42
hanaさんこんばんは。
hanaさんのブログでもこのWBCネタは盛り上がってましたね。スポーツはナショナリズムを刺激します。イチロー選手を槍玉に挙げる気はさらさら有りませんが、醜悪なのは、野球ファンが他国をナジル言葉です。人の意見を批判したり、議論したりというレベルでない言い捨てられた言葉をなげつけられるとがっかりします。
おっしゃるように、皮肉にも靖国で顔をさらして行動する右翼の方々のほうが確かに、まだ対話の余地あり・・とも思えます。
いやな世の中です。まったく。
投稿者 pianocraft : 2006年03月28日 22:18