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2006年02月18日
「いのちの輝きを伝えたい」コンサート
今日は、ピアノクラフトワークの調律のお客さんでもある、廣澤大介君の出演するバイオリンと声楽のコンサートに行ってきた。このコンサートは、石井子どもと文化研究所くるみ、青年の自立支援研究会の主催である。大介君は小さいころからLDを持っており、石井子どもと文化研究所に通っているが、音楽が大好きで、バイオリンに熱心にとりくんでいる。今日は、彼のバイオリン演奏と視覚障害を持っている、バリトン歌手の時田直也さんが出演した。
企画に当たったのは、昨年、行った松野迅さんのバイオリンコンサートでピアノ伴奏をしていた榊原契保さん。この榊原さんは、やっぱりウチの調律のお客さんのピアノの先生でもある。
大介君のバイオリンは時にやさしく、ノリに乗っているときはピッチもボーイングもばっちりで迫力がある音がでている。榊原さんとのコンビもよい。この榊原さんは、いろんな人間との出会いを大切にしているとかたる。優しさと思いやりの心で会場がいっぱいになるようなコンサートを目指したそうだ。
確かに音楽は、言葉を超える。その人の状況も越える。例え、障害があろうがなかろうが、若かろうが老人であろうが奏でる音は、その人の音であるから。
もう一人の出演者、聴覚障害をもつバリトン歌手、時田さん。彼は、ピアノの弾き語りをした。よくとおるバリトンの声でしゃべるバリトン歌手と化した。こんなにおしゃべりな声楽家は初めてだ。自分の生まれたときからの障害を両親が受け入れた話や、酔っ払いのオジさんに「手引き」をしてもらった話と人との出会いを宝物のようにする彼の言葉が印象深かった。人はひとりでは生きていけない。誰かの役に立ち、一方で手助けを受ける。彼の経験から出た言葉は重く、深い。
時々、障害をもった人と接したり、であったりしてるときにふと思う。障害がないほうがイビツな人間のような気がする。実は、いろいろみんな不自由な部分があるとおもうけれど、それが社会生活の中でたいした問題になっていないために、何の問題もなく過ごしていると勘違いしているけれど、人はすくなくとも「老化」という逆らえない時の流れのお陰で、日に日に障害を負って生きていく。もう、めがねが離せないないもんな~。いまや。かくして、人と人は出会い、刺激を受けて前に進む。これしかないな。
投稿者 pianocraft : 2006年02月18日 23:59
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コメント
素敵な時間をすごされたようですね。ハンディをもっているかどうかって烙印を押すのは社会のほう。個人はそれが当たり前でそれぞれ生きているのですものね。わたしもハンディをかかえているようなものなので,かつもしかしたら,「いい目を見ている」ほうでもあるので,具体的にいろいろな人と出会うことが勉強です。わたしの友達も音楽療法士として,ハンディをもつ子ども達とコンサートをやっているそうです。音楽はこころの出会いに最適ですね。
投稿者 KATEK : 2006年02月19日 07:30
KATEKさんへ
音楽療法の活動をしておられる方は仕事柄、私の周りにも多いですね。ピアノの先生達が、社会貢献に音楽を使って何かをしたいという思いを強くもっておられることも有ります。また、専門学校で音楽療法コースというのもできているのですが、いかんせん、この分野では収入にならないのですね。まだ、ボランティアの領域で、お金を払っていただけない。
こういったものに経済的保証ができると、内容も充実していいのですけど。
それからKATEKさん、わたしね、障害を持っている人の方が、健常といわれる人にとってのボランティアの存在であるっていう説を持っています。回りくどい言い方ですが。というのは障害を持った方と行動すると、社会が不自由である事を教えてくれる。また、こんなちっぽけな自分でも少しは役に立てると教えてくれるから。KATEKさんの存在そのものも随分やくにたっているって知ってました?
投稿者 pianocraft : 2006年02月19日 22:58