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2005年02月17日

映画「RAY」

ついに、今日映画を観た。わたしがRay Charlsについて知ってた事ってなんだったんだろうか?と思った。そりゃ、数々のヒット曲を知っている。レコードも持ってる、CDもある。けれど、リアルタイムでヒット曲を知ってるわけではない。

そりゃ、日本に来てコンサートで聞いた時も、いつも変わりないヒット曲のオンパレードでごきげんだったけど。その曲は、もう、スタンダードなものたちだった。

目が見えない音楽の巨人。目が見えないことが、RAYそのもので、その苦しみを知ることもまたなかった。
アメリカ南部で生まれ、バスの座席もトイレも白人と差別されていた頃のジョージア州に生れ、盲目であることで、数々だまされたり、放っておかれたり孤独になった時もあった。

目がみえないことも中途障害であることも知らなかった。9歳で視力を失う。弟を自分の目前で亡くしたトラウマをかかえ、当時の多くのミュージシャンが陥った麻薬中毒にもなる。どうして一人で生きてきたか?その物語は、数奇な運命でいろどられ、数々の女性を愛した。この時代。1950年代。

この映画は、ブラックムービーでもあるとも思う。ちょうど、「マーチン・ルーサー・キングJr.牧師 誕生の日」の記事を書いたときに紹介した、バスボイコット事件を扱った映画「ロングウォ-ク ホーム」のプロデューサーであるTaylor Hackfordが監督をしている。同時代のアメリカ黒人の歴史の一片でもあるRAYの生き様は15年間企画を暖めたという、監督のRAYに対しのて真摯なそして熱き思いが込められている。

ゴールデングローブ賞を取ったとき、Jamy Foxは、スピーチですべての黒人に捧げるというようなことを言っていたと思う。記憶が定かでない・・が。そう偉大な彼らの誇り。

そして、数々のヒット曲が愛人にインスパイアされた曲であったり、歌詞の意味と映像のシチュエーションが示されると「そ~なんか~」と妙に納得であった。そんな風にして歌は生れた。

アトランタレーベルとRAYとの出会い。ロウエル・フルソンのバンドメンバーだったことなど、知らなかった彼の人生をなぞって魅力あるそして、重みもある、素晴らしい存在であったことを知れることができて幸せだった。

このことは、1978年に出版され、映画公開と同時に日本語訳版が出版された「わが心のジョージア~レイチャールズ物語」に詳しいようだ。また、手に入れようと思っている。

最後にGeogia On My Mindについてだけ・・・。この曲がヒットした頃、全米盛んにツアーをまわっていた頃、ジョージア州に訪れた。このとき、まさにアメリカ南部の公民権運動も盛り上がっていた。だが、レイチャールズのコンサートで黒人たちは、決められた後の席でしか、レイを聞くことが出来なかった。
このことを受けて、レイはジョージア州のコンサートをキャンセルした、多大な賠償金を払って。そして、ジョージア州からは、この生誕の地を訪れてはいけないと、通告された。

この歌が、ジョージア州の州歌であることは、有名だが、それは、70年代になって、ジョージア州がレイに謝罪し制定されたものだったというストーリー。公民権運動。南部のアメリカ。黒人の音楽は、聞いても生活をともにしようとしなかったアメリカの差別。

それが、ジョージアのストーリー。わたしのジョージアのストーリーはもっと個人的だけれど。エンドロールで、随分、音間をためて、歌い始めるこのジョージア・・を聞いて、涙がとまらなかった。亡くなったレイにたいしての哀悼と、わが友人への哀悼がだぶついて。

でも、きっと天国で生演奏きいてるんじゃないかな。ジョージアをね。

投稿者 pianocraft : 2005年02月17日 00:21

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