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2005年01月22日

暴力に巻き込まれずに

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津波や地震が奪う人の命は、自然の大きな力にかなうことができなかった証だけれど、人によって生み出される暴力は、果てしがなく罪深い。

イラクで米軍から命を故意に狙われるのは、14歳~50歳の男の人。戦闘要員という考えだ。子供の戦士がシエラレオネや、アチェでもいる。許されない。

我が家にも実は戦闘要員の下限近くの年齢にたっするやつがいる。昨年、学校から配布されたのか、道端でもらったか不明だけれど、「自衛隊生徒採用案内」という紙切れを持って帰ってきた。ずっと、気になりとってあった。

この紙を持って帰った時はぞっとした。要するに、中学卒業者対象に募集している。

案内から

自衛隊生徒とは
科学技術の進歩が著しい現代、自衛隊においても常に現代科学の粋を集めた装備が各分野で使われています。これらの優れた最新装備を扱うためには、専門的な知識と技術が必要であり、このような観点から、とくに素質に優れた若い人たちを専門技術者として養成するために、中学校卒業者を対象に採用する制度です。

身分・待遇等
身分・特別職国家公務員
給与・初任給152,300円(16.4.1現在)*昇給:年1回
賞与・期末・勤務手当(ボーナス)年2回6月、12月 年間4.4ヶ月分
衣食住・全員が宿舎で生活し、宿舎費は無料、食事、一部の被服類は支給又は貸与
休日・休暇:週休2日(土・日)年次休暇(24日/年)
高等教育・陸上・海上・航空自衛隊生徒として入隊すると同時に高等学校(通信制)入学
(通信教育の経費年間約25,000円前後は自己負担)

一次試験
国・社・数・理・英・作文(マークシート方式)
2次試験
個人面接、身体検査、適性検査

てな内容だった。「華氏911」でマイケルムーアが海軍兵士の募集を上院議員たちにむかって「お宅の息子さんを最前線に是非どうぞ!」と勧誘しているシーンを思い出す。むろん、戦時において日本では少年までもが借り出され、特攻として命をおとしたり、広島では、学徒動員で奉仕活動をしていた中、原爆が投下された。

ヒロシマの原爆資料の中で、小さい軍服(のような制服だと思うが)がぼろぼろになっているのをマネキンがきていたのを子供の時にみて、覚えていて、再度、子供をつれてもう一度、見たときは、親の目になっていたので、苦しかった。自分の子を失った気持ちになった。

暴力に巻き込まないで欲しい。

21日の夜に、疲れてぼんやりTVを見ていたら「夜回り先生」のドキュメントをやっていた。以前も他のドキュメンタリーで見たことがあったけれど、昨日は疲れていたからなのか、何かわからないけれど、涙がでた。「人はやり直すことが出来る。」子供達が薬物依存やシンナー中毒、リストカット、自殺願望でがんじがらめになっているときに、圧倒的な力で子供達からSOSが送られてくる。病魔と戦い命をけづり、ささやかな一人一人の、子供達の命を守ろうとする大人がいる。

(「水谷修先生の夜回り日記 」毎日新聞はコチラで読めます。)

命と引き換えか?この人の行動は・・・と思わせる。私自身は、うけとめることがしんどいと、たまには思うことがある。それは、他人であったり、我が子供であったりしたが、やっぱり、自分の子供はなんとかふんばろうとする。

不細工な受け止め方しかできない。そんなことを繰り返すけれど、この水谷先生の存在を見ていると、ぜった見捨てないということの大切さを感じる。

そうやっていつくしみ深く、子供を守ることの困難で苦しいみちに比べ、戦争にかりたてる甘い言葉と自分の死や他者の死まで軽くあつかう暴力は相反する。

暴力に巻き込まれずに賢い大人になって欲しい。こころからそう願う。今年も一つ大人になる子供たちへメッセージするとしたら・・・

投稿者 pianocraft : 2005年01月22日 23:25

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