アシリ・レラさんの「カムイ・ユーカラ」
高槻で語る アシリ・レラさん
先日の土曜日、6月6日、高槻市でアシリ・レラさんの講演会があった。
昨年、相方のてじょんが友人達と訪れた二風谷のレラさんのフリースクール。そこで、交流をして、それがきっかけで高槻市の講演会が実現した。
講演といっても、静かに、落とされた照明の中で「カムイユーカラ」神謡をいくつも語ってくれた。
アイヌの文化は口承で伝えられてきた、動物が主人公であったり、人であったり、色んな教訓や、アイヌの人たちの歴史をユーカラで語っていく。
目を閉じて聞いて欲しい。レラさんは言った。
もうずいぶん長いこと、誰かにお話を語ってもらって、静かに聞き入った時間を忘れていた。
自分が、絵本を読み聞かせた記憶はあるのだけど、でも、レラさんの声を聞いていると、安らかになる。
こんなに静かに声を感じることが新鮮だった。
神の話。アイヌの人々は、自然のもの、生きているものの命をいただいている人間が自然からモノを奪いすぎないように教訓も語る。謙虚に自然と生きている。私達の傲慢をふりかえることができる。
命をいただくときは、感謝する。
さっきまで、生きておったのだよ。そのイキモノにも、親があり子がある。
大切にいただき、感謝しよう。
もっと沢山のお話を聞きたいとも思った。
「アイヌ神謡集」知里幸恵さんの著書もある。読んでみようか・・・
でも、聖地 二風谷へ行くのが一番なのだけど。
南の島のカミサマと北の大地のカミサマ。
色んなカミサマを知ることになったが、人は他の命を奪わないと生きていけないのだから、祈りをささげて命のあったものに感謝しなくてはならないだろう。
映画「おくりびと」でもでてくる、山崎努のセリフもそうだった。命を奪って生きる人間。植物は別だけどね。とおいしそうに、白子を食べるシーン。死者を扱うから、汚らわしいという身勝手な人間。
命に感謝することは、生きている残されたもののための大事な儀式でもある。
単に、スピリチャル的な、わけのわからん予言のような、うわついた感覚だけが好まれることも多いけれど、本当はカミサマや神聖さというのは、生々しい「生」の中にあるというように思う。
もっと、じかに生き死にかかわっていること。
人が、宗教を選んだために、寛容をわすれることだけはして欲しくない。自分の生を戒めるならばなおのこと。