芝居がはねて・・・
名村造船所跡地(舞台袖)から大正区をながめる
ロヲ=タァル=ヴォガの十周年記念公園【新青年】の舞台が終わった。
10月1日に追加公演も行い、のべ1000名を超える来場があったという。
私がエキストラ参加したのは、3日間だけだったが、舞台を作っていく過程をリハーサルで見たり、演出の近藤氏のこの舞台にかける思いの話などを聞いて参加したことが、楽しくもあり、面白がることもできたと思っている。(もちろん、ブログがかけないくらい・・・仕事と掛け持ちで疲れたのも事実)
広い造船所跡地の舞台は、対岸の大正区の工場郡を借景にした位置に配されて、舞台が始まる時間には照明効果とともに工場の明かりが印象的だった。
私たちエキストラは、政治家の長老の役どころだったがちょっとした高さのある「長老席」から、舞台の中で進行して行く、総理の若いころの仲間の思いをつづる「新青年」の動きや現在の状況を時間軸がいったりきたりする中で、上から要所要所に出現する。
舞台のオブジェと化するようなそんなイメージだ。
舞台が初日を迎えるころは、残暑が強烈な日々だったのだが、後半になってぐっと秋めき、肌寒い日さえあるような、まさに季節をまたぐ公演となった。
季節だけでなく、政治の季節もこの舞台の初日に新総理誕生という、芝居のテーマとまるでリンクするような動きがあった、ミャンマーでなくなられたジャーナリストの話も芝居の一シーンとして重なるものがあったし、妙なリアルさを感じる。
虚構が現実にくるまれて異空間をつくっているかのよう。
若いスタッフや役者が動く中で、舞台つくりの時間に参加できたのは楽しかった。
役者の中で、映画「ヒロシマナガサキ」に出演していた女性とであった。
彼女は、今回は役者として出演していたが、映画のなかでは、ゲリラライブを行っている二人組みの女性ミュージシャン「あふりらんぽ」のぴかちゅう。
彼女は印象的な役回りで、怒りのドラムを劇中も叩く。
映画のことで少し話ができた。
映画「ヒロシマナガサキ」の最初のほうの彼女たちのシーンは東京の交差点でゲリラ的に演奏して撮影したらしく、警察にひっぱられたり、それは大変だったらしい。
彼女自身は、映画冒頭のインタビューでで若い人たちが8月6日のこと9日のことを知らないことに、怒りを感じていた。
もっと多くの人に知って欲しいという思い。
あの映画は、若い人にはシリアスで、キツイ映画という印象で、余り周りの人が見ていないと彼女は言っていた。私は、ある程度の年齢の人間はけっこうしっている(片寄りがあるかとおもうが)内容をもう一度、違う角度も含めて見せている映画だと思っていたので、あらためて強烈に思いを重ねたというより
静かに潜行する思いを強めたという感じがしていた。
知らない・・・という若い人にとっては、センセーショナルな事実。しっていても知りたくないのか、見たくないのか、考えたくないのか。けれど、今回の芝居のように、思いのある若い人も多くいると思う。
いろんな人とであえた。これは、また一つ、宝物のような時間だったとおもう。
長老役の人たちもユニークな人ばかりで、楽しかった。確かに舞台にでてやろうっていう好奇心の強い人たちばかりなんだから。
10月は、また古い歌を歌うステージのために、練習をします。