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2005年12月 アーカイブ

2005年12月04日

Gift ベアテの贈り物

beate.gifベアテの贈り物

今日は、冷たい雨の降る日曜日だった。映画を観て帰るときにはヒョウが傘を打ち付けた。
午後1時過ぎから、赤松良子さんの講演会、2時40分から「ベアテの贈り物」上映会。今日のクレオ大阪中央は、フェスタという催しで土曜日からいろんなイベントが館内で行われていた。

日頃、このクレオの講座にはおそらく、日中が自由になる年配の女性が多く活動しているとおもわれる。もちろん夜も使われているだろうが(実際、ゴスペルの練習に夏のコンサート前は良く使った。)そんな、女性達が観客の中心をなしていた。
そう、ここは男女共同参画のための推進役となる施設なのだ。ここで、「ベアテの贈り物」が上映されるのはふさわしいと思うけれど。

わたしは、憲法14条、24条の条文を作成した、ベアテ・シロタ・ゴードンさんのことを深く掘り下げた映画と勝手に勘違いしていた。確かに、ベアテさんの講演を撮った部分も多く挿入されていたが、なぜ、彼女が日本と関わり深いか・・・そのことに前半がついやされ、後半は、この「贈り物」である24条を踏まえて日本と言う国が、男女平等へどのような働きを実際にしてきたかを断片的に伝えている。

やはり、多くの女性によっていろんな場面で、今のように女性が働く事ができるまでに活動が積み重ねられた、その恩恵の上に我々はいる。まだ、途上ではあるが、しかし、参政権獲得から、男女雇用機会均等法にいたるまで長い道のりであったとも思う。

国連については、戦勝国が作った組織である事や、不正やオイルの癒着があったり、拒否権についても問題があったりするけれど、女性の権利獲得にも大きな力となったことを知った。まだ記憶に新しい住友化学の裁判についても外圧となった。そのように、ひとつひとつ積み重ねられた、女性の活動を追っていく映画後半部分は、別の映画のようだった。

確かに、スタートはベアテさんの条文。
しかしいまや、自民党にはこの24条を改悪しようとする動きがあり、時代逆行の考えがあることも頭においておかなくてはならない。
詳しくは、
STOP!憲法24条改悪キャンペーン サイトへ

ただ、ドキュメンタリー映画をこのところ観ることが多くなって、作品としては、イマイチだったかな。情報としてはあり。次は、ドキュメンタリーではないけれど「亀も空を飛ぶ」を見ます!!

2005年12月18日

歌い終わって、考える

12-1.jpg大阪方面の冬空

ゴスペル音楽をうたう。クリスマスにちなんで、イエスキリストが生まれて2005回目の誕生日を祝う歌の数々。わがプロフェッサー、ブッチ氏のキリスト誕生にまつわるストーリーを歌いこんだ詩に素晴らしい音符が乗っている曲の数々。

喜びの歌。これがクリスマスソングというものだ。
アメリカに渡ってきたアフリカの人々が、厳しい労働の日々の中で、魂のそこから待ち望んだ平安は約束の地「天国」だった。死んでからしか、平安はないというのは哀しい話だけれど、その苦しみゆえに強いキリスト信仰が生れ得たと思う。

そのことへの共感(といっても現状で共感できるものではないし、分かるとも言えないのだが最大限の想像力を使うという意味で)がゴスペルを歌うわたしの動機だ。
でも動機付けを抜きにしても、ゴスペルを歌い上げるのはとても楽しい。今回も本当の意味で歌う楽しさを感じる事ができて幸せだった。
クリスチャンの人がいたる感覚とは違うとは思うが、一緒に声を出している幸せと言うのはもっと、浮遊する感覚のように思う。

黒人問題を含め、私個人としては、「人間は差別する」ということを「テーマ」のように考えつづけている。
どんなところにも差別がある。心の中にいつも自戒をこめて、物の見方を、自分のポジションを考えるくせをつけている。

ちょっと前に書いた「ローザ・パークス」さんについての日記にアクセスが多かったことを考えると、今の日本の人たちはみんな何か不条理に差別されてる感覚があるのかな?と思ったりした。
勝ち組み・負け組みなどと言ったり、下流社会と言ったり、いつの時代に逆行してんだ~ッ。とね

そんな不条理と闘ったローザさん。キング牧師の公民権運動に学ぶ事は多いと思う。
参考になるサイトを見つけた。
StudioBE というサイトの「公民権運動 史跡めぐり1」
わたしも旅をしてみたいな。

2005年12月19日

観たい映画が多すぎる!!

今年も、観たくてしょうがない映画がとても多かったが、まだ続くのである。

まだ観る事が出来ていないものも含め(以前に書いたものも含め)
1、「亀も空を飛ぶ梅田ガ-デンシネマ 17日以降は午前10:00~のみの一回上映
2、「歓びを歌にのせて梅田ガ-デンシネマ12月24日~ 
それぞれ問題を抱えた人たちがコーラス隊(聖歌隊)を通して癒されるストーリー。
3、「ルート181」2006年1月29日(日)10:30~16:30(10時開場) 大阪市立阿倍野区民センター 大ホール
12月24日(土)22:00から HK教育「ETV特集」にて特集番組を放映予定!(詳細未定)
パレスチナ人とイスラエル人の二人の監督がたどる、実際には使用されなかった国連決議181号で定められた分割線「ルート181」をたどる旅のドキュメンタリー。
4、「ザ・コーポレーションシネヌ-ボ 初春企業に支配される現代社会についての問題提起
5、「ホテル・ルワンダ」シネヌ-ボ 2月公開予定
ルワンダの、ツチ族とフツ族の争いの中で命を救ったホテルマンの実話。熱い上映運動の成果で公開されることとなった。

暴力について

12月に入って今まで、あんまりblogを書いていなかった。去年は真珠湾攻撃やジョンレノンのことを書いたりしていたけど。

ニュースが気になっていなかったわけでもない。
書けない重さがあった。それは、子供に向けられる暴力についてだ。

暴力は、暴力をふるう側が弱いと思う相手に一方的に向けられる事が多い。
しかし、この度の事件には幼い子供に向けられる性の暴力の形がとられた。
何故、一方的に命まで奪い取るのか。憤りをもっていくところがない。

そう思っていたところ、昨日の朝日新聞で田上時子さんの記事を読んでなるほどと思った。
田上さんは、「女性と子供のエンパワメント関西」の代表である。このところ特に注目をあびているCAPプログラムも以前から取り組み、各学校やPTAなどで広めている。

<「CAP」はChild Assault Preventionの略で、子どもへの暴力防止プログラムのこと。18歳未満の子どもに対する虐待、暴力行為、子ども同士のいじめなどにどう対処するかを親、教師、子どもたち自身に教える人権教育プログラムです。
 エンパワメント(子どもの内なる力を引き出す)の理念に基づき、暴力から自分の身を守るために、暴力とは何か、暴力の被害に遭いそうになったときに子ども自身に何ができるのかをロールプレイ(役割劇)などを通して、情報とスキルを教えていく参加型学習プログラム。

1978年、アメリカ・オハイオ州コロンバスの強姦救援センターから誕生。
1995年、日本で最初のCAPプログラムを実施する専門家(CAPスペシャリスト)養成講座を開催し、以後、多くの子どもたち・おとなにプログラムを提供しています。 HPより引用>

ここには、他にもワークショップがある。その一つがメグ・ヒックリングさんの「性の健康ワークショップ」だ。
そこで、小さい幼児のころから子供を性的虐待の被害者にも加害者にもさせず、豊かなおとなへと育てることを目的とした、性教育を行っている。

ここが大事。大人になるまでに豊かに人間関係をつくることができるための性教育を行う。田上さんは、性犯罪者は、誤った情報によって犯罪を起こしていたという統計があると言う。

「格差社会好き?ジェンダーフリーバッシング」のところでも書いたが、現場でどのような過激な性教育が行われていたか個々の例は知らないが、人が人として尊重される、大切にされなくてはならないという事を性教育の上でもしっかり伝えていかないと、自分も相手も傷つけることになるということを知らないで過ごすのではないだろうか?

言葉狩りのように、「ジェンダー」を切り捨てても、何の意味もない。ただしくない使われ方、捉えられ方や教育がこの言葉のもとで行われてきたのであれば、それを正すだけ良い。
本質的にその言葉に込められたものは、女性も男性も個人として尊重されなくてはならないという事の一点だけだ。男・女・そしてどちらのボーダーの人も・子供も老人もだ。それぞれが社会で枠の中にはめられることは一切ないということをみんなが受け入れる事だ。

そういう「尊重」の対極に「暴力」は存在する。
つくづく今の日本は暴力的だと思うのだけどね。
   

2005年12月23日

亀も空を飛ぶ

京都シネマまで、出かけてやっと、やっと観た。
すぐには、書けなかった。「亀も空を飛ぶ」でググルとたっぷりの感想がかかれている。

登場するのは主にクルド人の子供達。大人は彼らの引き立て役くらいのウエートでしか登場しない。
イラク戦争の戦時下で子供達はこんな風に生きている。

サテライト・・・戦争孤児をとりまとめ、年寄りしかいない村で便利屋として重宝されている。快活な少年。
パショー・・・片足に障害のあり、いつも松葉杖をついている少年。サテライトのよき友。
シルクー・・・泣き虫だけれど、愛嬌のあるサテライトを慕っている弟分のような少年。
ヘンゴウ・・・クルド人虐殺のために両親を失った少年。両腕を地雷の被害で無くしている。
アグリン・・・ヘンゴウの妹で、イラク兵にレイプされて生んだ2歳くらいの子供を育てている。寂しい目をして一時たりとも笑わなかった。

この子供達の日常は、地主に頼まれた「地雷掘り」これを仲買人に売ってわずかなお金をもらって生活している。この地雷は、仲買人から国連事務所に売りわたされ、本当はリサイクルされて、また地雷に生まれ変わる。哀しいリサイクル。大人はむごい。地雷除去のためのグループは狂言回しか?一日1000ドルの給料で除去する。子供達はたったの5ドル程度。子供の命の値段で決めているつもりか?

この子達の生活は、実にたくましく「大人」になることを強いられたている。そうせざるを得ないから。
だが、冒頭からアグリンが崖から飛び降りるシーンというのに衝撃を受ける。
彼女の哀しさもサテライトのアメリカびいきも、イラク戦争終結を示すラストシーンで米兵が戦車とともに通り過ぎる映像が、実は侵略者「サダム」が「アメリカ」に変わっただけだという事実を私たちは知っている。

映画はフィクションであるけれど、その続きは現実に繋がっている。
出演者の子供達も素人。彼らの現実の生活も、続いているのだ。

衛星放送をみようとアンテナをたてて情報をしりたがる大人たち。
リバーベンドの日記にもたびたび衛星放送のことは出ていた。アメリカの番組を見ているのだ。
けれど、子供達はそんなことに関係なく、戦時下を生きざるを得ない。
いつも子供が死に近いところにいる。そこでも日本でも。
罪なのは、やはり。大人側だ。
戦争・暴力大好きな大人になっている人はいませんか?

2005年12月26日

今年も最後まで「平和」を願って

iraq.gif
イラクの子どもたちの絵画・写真展

tamyさんのブログから、SMAP「Triangle」が紅白の大トリになったことを知った。まずめでたい。楽しみだ。
戦争の悲惨さ、ことに子どもが戦時下に置かれるひどい状況をこの歌は表現している。

アフリカや南米では、12歳や13歳になって少年兵として強制的に人殺しを強いられる。
hanaさんのブログで知った本。「ぼくは13歳職業、兵士」鬼丸昌也・小川真吾著 合同出版
これから公開される映画「イノセント・ボイス 12歳の戦場

こころが痛い。

クリスマスであった日曜日に、イラクの子どもたちの絵画を観た。イラク子ども保護センターというところで関わる子供達が描いた絵。
その絵は二通りに分かれる。
ひとつは、あこがれや夢を描いた絵。
ひとつは、人が傷つく戦争の現実の絵。
結局は、平和で安心・安全な暮らしを心から求めている気持ちに変わりはない。

イラクの都市部の子供達は、孤児になって、麻薬中毒にされ、レイプされ、路上で暮らす。ひどい。

結局、子どもは大人の都合のよいように、こきつかわれ、捨てられる。さもなくば、殺される。
戦争下にあったならば・・・・
こころのキズを癒すのにどれくらいの時間が必要だろう。私たちの人生の時間をすべてささげても足りないくらいかもしれない。

日本は「戦争放棄」をしている。その9条を守るために、「9条を守ろう!ブロガ-ズ・リンク」に賛同しました。

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