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2008年03月29日
ムンク展
ムンク展より、「声・夏の夜」1893年
神戸で仕事があり、1件目と2件目の間にどうしてもぽかっと待ち時間ができてしまった。ので、兵庫県立美術館で3月30日まで開催されている「ムンク展」に行ってきた。
その日は平日だったのだが、なかなかの人出で、入り口から他人の肩越しに説明書きを読むといった様子だったが、徐々にそれぞれのペースが違うので少し鑑賞しやすくなっていった。
私はムンクについての知識はあまりもっていなかったが、それぞれの作品が1つで大きな意味をなすというより一塊に展示することで統一のテーマを担っているという点が、今回の展示手法でも面白みが感じられたところだった。実際にムンクは、自分のアトリエで展示の順序などを試行錯誤していたようで今回はそれに準じた展示の仕方をしている。
ムンクは壁画も描いているが、その対象となったのは個人宅、チョコレート工場、劇場、講堂と広がっており、大きな建物のなかに展開される本物の壁画を是非みてみたいものだと思った。
そしてテーマは、生命を取り扱うものが多かった。有名な「叫び」(これは実物は展示されていない)や「不安」などがあるが、心のありかを表すような不安定な要素が印象深い。けれど、後半に展示されていく「労働者」のシリーズは、それとは全然違い、力強く、生きる力に溢れていて、これは心の有り様というよりも人間存在の生命力を感じさせる。
本当はゆっくりと、人の呼吸も聞こえるくらいのところで絵をみたいものだけどそれは、贅沢な望みなのかもしれない。この春にふらっと、散歩して額縁の中にはない自然の色を堪能したいものだ。
投稿者 pianocraft : 2008年03月29日 01:30
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コメント
こんにちは。わたしは今回は見逃しましたが,ムンクが好きな時期がありました。その頃展覧会を見に行きました。緑色の印象が強く残っています。あの月と海につながる柱も。労働者の絵は残念ながら見ていません。どんなものなのでしょう。画家もいろいろな人生の時間を過ごしているということでしょうね。
投稿者 KATEK : 2008年03月30日 16:37
KATEKさん、こんにちは。
ムンクは人気が高いようですね。
ムンクには象徴的な生命のイメージが登場しますが、それが労働者の絵とはずいぶん異なっていて印象が深かったです。
画家は時代に応じて変化しますよね。画家だけではもちろんありませんが、良いように心しなやかに変化したいものです。
年を重ねて意固地にならないように・・・
投稿者 pianocraft : 2008年03月30日 21:46
こんばんは。
もう?観に行かれたのですね。私は行きたい、と思いつつ叶いません。10年くらい前には確か大阪で「ムンク展」があったと思います。『海辺の少女』というのが気に入り、ポスターを買いました。今も飾っています。白いドレスを着た少女の後姿が描かれています。静謐さのある絵です。
さまざまなイメージの絵がありますが、どれもそこにほとばしらせた感情が何か身近に感じられて、ムンク、好きです。
投稿者 りん : 2008年03月31日 18:45
りんさん、こんばんは。
ムンクって、魅力があります。白いドレスの少女も象徴的に生の躍動感をあらわしていて、多くの絵にと登場します。
りんさんは、箱の中の絵を見なくても、身近な自然の変化や食の楽しみでちゃんと季節の感性を持っておられるので尊敬します。感じることができるのが素晴らしいと思います。
投稿者 pianocraft : 2008年03月31日 22:08