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2006年04月27日

身近な死

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切ないほど美しい夕日を、このところ見るときがある。黄砂でかすむ日もあったが、晴れ渡った日の夕方が格別に美しく、明るい。

そんな日に「ナイロビの蜂」の試写会から帰って、一本の電話があった。「~さん。今日のお昼になくなったよ」
彼女と最近会ったのは、今年の初めの新年会だった。3つの家族でするホームパーティで、多分3年ほど続けて毎年やっていた。
ずっと、うんと前から彼女は透析治療を週に2回ほど受けていた。そのせいで、いろんな合併症を抱え、入院する事もしばしばだった。今回も入院していて今度は帰ることができなくなったのだった。

彼女は、子供はいないが、にこやかな連れの夫を「カズ」と呼んで、いつも一緒だった。
私の友人は同じマンションにすんでいて、子どもたちは彼女の家で第2の自宅のような過ごし方をしていたりした。いっしょにゲームをしたり、話相手になったり。
友人の子どもは2人、不登校で、昼間の遊び相手になってくれたり、親以外の信頼できる大人として、彼女の夫婦とはとてもいい関係だった。

我が家の息子も、石垣島の旅に連れて行ってもらったことがある。
ふしぎな大人だった。
これから「カズ」さんは一人になる。妻を亡くしてしまってからの人生は長いだろう。
また、一緒にあそべるようにしようと思う。すてきな笑顔がまた、見れますように。

大切にされ、夫から羽に包まれるように愛され、守られてきた彼女が、今度は天国から夫を見守ってくれると思う。
人は生まれたら、こんなに優しい思いにつつまれて皆が命を終えるわけでないことは、承知している。
そのような状況が、大変難しくなってきているのかもしれないけれど、どの命もそういった権利はもっているはずなのだ。
きっと世界のどこの人でも。

投稿者 pianocraft : 2006年04月27日 22:15

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