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2006年02月27日
映画「あんにょん・サヨナラ」
日本版と英語版フライヤー
26日朝からひどく雨の降る日曜日、ドーンセンターで映画「あんにょん・サヨナラ」を観て、主役のイ・ヒジャさんと古川雅基さんのお話を聞くことができた。この映画は前から観たかったものだが、私の認識では、韓国の戦死者が靖国神社に合祀されているということに対して、分祀を要求する訴訟を起こした韓国の人の話だという、ぼんやりとしたものだった。どのように靖国は描かれているのか?興味があった。
この映画は、日本では山形国際ドキュメンタリー映画際特別招待作品として上映され、韓国では第10回釜山国際映画祭優秀ドキュメンタリー賞を受賞。ソウル独立映画祭の大賞も受賞している。
このところ、戦争にまつわる映画は良く観ている。でも、これはその中でもいちばん「こたえた」作品だった。イラクやパレスチナ今ある、戦争を扱ったテーマの映画には、想像力を駆使して、本で知識をおぎなって考えることにしているが、今回は違った。わたしにとって靖国神社は、常にその存在そのものに違和感があり、日本人の戦没者であっても、神道でいう神さまにされることも、魂を勝手にもっていかれることも反対だと思っている。けれど、今回はこの映画で問題を「つきつけ」られた感がある。何してんねん。自分は~。と思うような苦しさ。日本にいて、この国の戦争の後始末がまだすんでへんやないか。その当事者である自分は何をしているのか?と。
主人公のイ・ヒジャさんは、お父さんを戦争で亡くした。そのことは戦後ずっと家族に知らされることはなかった。それを知ったのは、1995年防衛庁からだったが、日本政府は、遺族に何のことわりもなく靖国神社にお父さんの名簿を合祀していたのだった。その合祀を取り下げてもらう訴訟を起こした。
ヒジャさんを支える日本の在韓軍人軍属裁判を支援する会の古川さんは、彼女に出会い、日本の戦没者の遺族も同じように、靖国合祀や忠魂碑反対などを訴えていることを追っていく。
ヒジャさんは、この活動について「お父さんの子どもとして運命」として捉えている。
この映画では、右翼活動家の靖国に対する考えを語るシーンがある。わたしとしては、その言葉を聞くのがとても辛かった。相容れない考えに向かい合う時。けれど、右翼の中には鈴木邦夫氏のように、祀って欲しくないものは、合祀しなくていい。とか、8月15日に軍服を着て参拝する必要はない。など、対話のできる部分もあったという。(これは映画では使われていない)
ヒジャさんは、これからもソフトな右翼であれ、ハードな右翼であれ対話を重ねたいと言っていた。大変なエネルギーを要するだろうに・・・・。
靖国神社前で争うシーン。未だに心無い言葉をはく「日本人」。
「靖国神社」について何も感じない、何も知らないで存在を容認し賛美しつづける、その無知は罪深い。
神を分祀できないといって、紙の名簿で祀るという矛盾。人の手で作られた宗教で、人を引き裂くのはやめて欲しい。
何故か、戦争のにおいは宗教の周辺でぷんぷんする。宗教を利用した、天皇を神と言った過ちを、私は知らなくてはいけない。
本当に感動というよりも、若い人に沢山観て欲しい映画である。
大阪ではシネ・ヌーヴォで7月公開。それ以外でも自主上映が各地で開かれる。
詳細はHPで http://www.gun-gun.jp
投稿者 pianocraft : 2006年02月27日 01:23
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ドキュメンタリー『あんにょん・サヨナラ』は日韓共同作。釜山国際映画祭 ドキュメ [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年03月20日 13:04
コメント
treziland diary の ようだいです。
トラックバックありがとうございました。
同じ時間帯で鑑賞されていたのですね。
私のブログでは 個人的な感想を書くのは敢えて避けたのですが、実は 靖国神社の存在自体に全く意味を感じていません。
あそこには、「戦争で亡くなった方の慰霊」はありませんから。
ただ 日本の近現代史については まだまだ勉強中の身です。
これからも宜しくお願いします。
投稿者 ようだい : 2006年03月12日 22:56
ようだいさんへ。
コメントありがとうございました。
あの日のドーンセンターは入り口を入ったところからキムチのいい匂いがしていて、いい感じでしたね。
私も、いろいろ知る事の多い日々です。自分が何を考えどう行動するのか、非常に危機感をもつこの頃です。またよろしくお願いします。
かんぴーも見てます。
投稿者 pianocraft : 2006年03月12日 23:36
こんばんは。このエントリーを読ませて頂いて、見逃したことを悔やんでいたのですが、京都でこの18日に自主上映があるようです。
ちょっと遠いですが出かけてみようと思っています。(幸い時間がありますので)
靖国神社についてもきちんと正しい理解をもち、人にも伝えたいと強く思います。今『靖国問題』高橋哲哉著を読んでいます。もし読まれていなかったらお薦めです。
投稿者 hana : 2006年03月13日 23:11
hanaさん。こんばんは。
ぜひとも、京都の上映会に行ってください。古川さんのお話も聞けるという事ですし。この映画を高橋哲哉さんも推薦されていますね。
この日本の問題を考えなければと思わせられます。
投稿者 pianocraft : 2006年03月14日 00:05
18日に観てきました。古川さんのお話も聞けました。
小さい部屋での上映でしたが、たくさん入っており反響の大きさをうかがえました。
製作者の方たちの意図どおり、若い人たちにも受け入れられやすい構成になっていると思います。
ぜひ若い人たち(もちろん年配の人たちも)に観て欲しい。上映が各地に広がることを期待しています。
TBさせて頂きました。
投稿者 hana : 2006年03月20日 13:08
hanaさん。ご覧になれて良かったです。
ドーンセンターで見たときも、小さな視聴覚室でした。でも、見ておられるかたたちの、トーク後の質疑応答も盛んでした。
右翼であろうと左翼であろうと、何であろうと、戦争賛美はおかしい。色んな人に感じて、考えてもらいたい映画です。
投稿者 pianocraft : 2006年03月20日 22:56