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2006年01月03日
「ぼくは13歳職業、兵士。」今年初めて読んだ本。
「ぼくは13歳職業、兵士。」鬼丸昌也+小川真吾著 合同出版
年末にAmazonで注文した本が、なんと元日に届いた。ありがたいことだけど、誰かが働いてくれているってことだな。カムサハムニダ。お陰で今年初めて読むことが出来た。
26日のblogで書いたように、この本はhanaさんのブログで知った。こども兵についてかかれた本ということで、読みたいと思ったから。
確かに救いようのない状況に元子ども兵だった子達はいた。リハビリの施設に行っても、その傷を癒すことは簡単ではないだろう。上手く社会復帰できないために、アルコールやドラッグに依存し暴力で生きる道を選択せざるを得ない子達もいる。けれど、彼らは生きている。生きているから、生きようとするからまだ、希望も見出す事ができるはずだ。
大人は残酷だ。子どもをいつも利用する。そしてしまいに殺すか捨てる「亀も空を飛ぶ」でも書いたけど・・
その根本的原因についてこの本はいろんな事実を伝えている。
まず、紛争、戦争の成り立ちについて。
支配している先進国が、統治のためにとる常套手段、民族を分けたり、国を分断統治すること。一方に権利を一方に貧困を与える。これによって、同じ国、地域にすんでいた隣人の生活を利害で分かつ。実に卑怯なやり方だ。支配者に反抗しないよう同国の人間を争わせる。そして、紛争は貧困をより深める。
そこから子どもの兵隊は生まれた。
もっと具体的な原因。
小型兵器の拡散。10歳の子どもでもあつかえる銃が大量に紛争地域に流れ込んだ。
マイケル・ムーアが「ボーリング・フォー・コロンバイン」でアメリカの銃規制がすすまない理由について、ライフル協会の会長であるチャールトン・へストンに突撃取材を試みるシーンを思い出した。
この世界に、うじゃうじゃと銃が蔓延した。
やっぱりそんな暴力の道具は、大国の利権のために使われた。オイルもダイヤモンドも。
この作者たちは、実際にNGOの活動家である。テラ ルネッサンスと言う。サイトを訪ねてみると実際の活動を知る事ができる。
またミリオン・フェイスというキャンペーンも行っている。武器を規制するという世界的なキャンペーンで、顔を署名に使うというユニークな試みである。今年2006年夏。国連ビルを多くの顔が囲むという趣向。
詳しくは、ミリオン フェイスHPへ
http://www.controlarms.jp/index2.php
と言うわけで、この本から得た情報もなかなか良かった。
で、何かしなくちゃね。
投稿者 pianocraft : 2006年01月03日 01:57
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コメント
pianocraftさん、新年おめでとうございます。
2006年に明るいニュースがひとつでも多くありますようにと願うと同時に、何ができるか考えて小さなことでもやっていかねばなりませんね。
ブログにも書いたのですけれど、年末に『ロード オブ ウォー』という映画を観ました。大阪でも公開劇場は一ヶ所だけでした。
アメリカの武器商人が主人公ですが、「ぼくは13歳職業、兵士。」を読んだあとでは、描かれていることの一つ一つが迫ってきました。
武器を手にしたこども兵も登場しました。
反戦を貫かれた映画かどうかは少々疑問ですが、もし機会があればご覧になられたら、と思います。
投稿者 hana : 2006年01月03日 22:00
hanaさん、今年もよろしく御願いします。
わたしも実は、今日、この本を読んだ翌日、気になっていた映画「ロード・オブ・ウォー」を観に行ったのです。ここにリアルに(実はフィクションの人物を通じて)アフリカにカラニコフが渡っていく様子を、映像で見せられて、生々しさを感じました。
相方は、これは正月には見たなかったな。とつぶやいたのですが、ハリウッド製の映画にしては、見ごたえがありました。
でも、お膝元のアメリカ政府批判は最後の最後のセリフ回しでおわりだったことが「やっぱりな」と思わせた次第です。
また、あらためて、書こうと思ってはいるのですが・・・虚構ではなく地続きに「小型銃」が行き交っているころを虚構の映像で見せられて唸りました。
コメントありがとうございますね。
これからもよろしく。
投稿者 pianocraft : 2006年01月04日 00:53
子どもが,平気に銃を使い,人を殺していくように洗脳されていく場面を,何かの番組で見たことがあります。子どもこそ希望と考えられるような社会を作る力になれたらいいなぁ,というのが今年の目標の一つです。またいろいろ教えてください。
投稿者 KATEK : 2006年01月04日 19:05
こどもは、洗脳しやすいから殺人の道具にするというのは、大人の卑劣な発想です。
こどもにとって暮らしやすい社会が大人にとっても居心地のいいところとなるはずとわたしは思います。
投稿者 pianocraft : 2006年01月06日 23:18